中臀筋断裂

Gluteus Medius Tear

中臀筋の解剖

起始;腸骨の外側面前方から後方の中殿線の広い範囲に付着しています。

停止;大転子の外側面

アクション; 股関節の外転と骨盤の安定を担っています。

前方の部分は股関節の屈曲と内旋、後方の部分は股関節の外旋と伸展の役割ががあります。

神経支配;上殿神経(L5〜S1)

​動脈供給;上殿動脈

 

中殿筋断裂は、大腿外側の痛みや外転筋不全の原因となる疾患です。中殿筋と小殿筋の断裂を、肩の腱板断裂に模して”rotator cuff tears of the hip”と表現することもあリマス。原因は外傷性と 原因が不明な特発性に分類されており、40~60代の女性に多いと言われています35 )。

  • 症状

 大腿外側部痛と大転子部の圧痛が主である。外転筋力が低下するため、Trendelenburg歩行が認められることもあります。

  • 診断

外転筋群の筋力低下と外転負荷時の大腿外側部痛を認めたら、MRI検査を行う。中殿筋の大転子付着部信号変化や付随した大転子滑液包炎を認めることが多い36 ) (図9) 。

  • 治療

  保存療法に抵抗する場合、手術を行う。近年鏡視下に中殿筋を縫合することが可能であり、観血的手術と鏡視下手術の比較も行われている。臨床成績は同等だが、再断裂率において鏡視下手術の方が少ないというシステマティックレビュー35)36)もあり、我々も鏡視下での縫合を行っている(図10)。中殿筋の変性が強い場合は、大殿筋弁での中殿筋再建37)や中殿筋部パッチ法38)が行われることもある。